こんにちは、お湯太郎です。
2024年3月に山形県の瀬見温泉に行ってきました。
瀬見温泉は鉄道駅から徒歩で行けるとても貴重な温泉地。
青春18切符を使用した節約旅行にピッタリな場所です。
今回宿泊したのは、「喜至楼」さん。
なんと山形県で一番古い温泉宿とのこと!
明治大正昭和?レトロを感じる館内には、職人技を感じる装飾や歴史的な調度品、大小様々なお風呂があり、
まさに温泉のテーマパークと言ったところ。
そして宿泊料金は1泊2食付きで8,250円~
歴史を感じる宿にこの値段は破格すぎる。
宿泊しない理由はないですね(笑)
それではチェックイン!
(お手軽プラン(2食付)食事は家庭食のような簡単な和定食(ご飯+汁物+他4品)での宿泊です)
喜至楼:博物館のような美術館のような
瀬見温泉の中心を歩いていると、オーラを放っている建物が目にとまります。
「ほう」となぜか感心してしまう、この建物が今日の宿でございます。
ちょうど宿泊したのは、赤字で国際観光と書いてある看板の部屋です。
↑の入り口から入ろうとすると、
あれ、入れない。
どうやら、受付は別館で対応しているようです。
ってことで、こちらの別館へ。
入り口では狸の置きものがお出迎え。
日本の風景って感じかとてもよい。
チェックインは15時から。
だけど、まだ14時前。
実は、瀬見温泉で唯一ランチが食べられるお店がこの日は休業日。
その辺を見て回るにも、荷物が重いので荷物だけでも預かってもらおうとしたら。
「もう、部屋の準備が出来ているので案内しますよ。」
「お風呂も準備出来ているのですぐに使ってもらっていいですよ。」
いやいや、優しすぎひん?
一時間以上前だよ?
お風呂もすぐ入れるし、本当に嬉しすぎる。
しかも18時ごろまで誰もいないって!
さて、別館から部屋へ向かいます。
「ローマ風呂の上が部屋です」
ん?
「みなさん、迷いながら部屋に行くんですよ」
なるほどー。
「ヒントはローマ風呂の上、看板もあるので探してみてください。」
いろいろな宿に宿泊してきたけど、この案内方法は初めてです笑
お、これのことか。
言ってもすぐに見つかるだろ笑
館内には↑や↓のような、
文化や歴史を感じる調度品が所狭しと陳列されています。
歴史ある館内の雰囲気と相まって、美術館のような印象。
おっと、これは別館の2階か。
なかなか難しい。
しかし、どこを切り取っても絵になるな。
ミシミシと軋む廊下の音もすごく似合う。
よしよし合っているな。
と思ったら本館の玄関に到着。
外から見た感じだとちょっと戻ったところの2階だな。
ほんと慣れるまで方向感覚がなくなります。
誰もいない静まり返った玄関は、
この空間だけ刻が止まったような、タイムスリップしたような不思議な空気感です。
ちょっと戻ると炊事場がありました。
ここも雰囲気いいな~。
本当に令和か?昭和を切り取った雰囲気が好み。
冷蔵庫はここにありますね。
湯治してここで簡単な食事を作るのも楽しそう。
迷っていたら自販機を発見。
あ、ここか~。
部屋の前の階段に福助人形って覚えとこっと。
いやー、しかし見どころ満載な館内。
静まり返った館内ではあちこちウロウロ。
めっちゃ楽しい。
さて
部屋:わびさびのきいた和室
抜群の鄙び感漂うお部屋でございます。
テーブル、布団、化粧鏡。
温泉宿はこうでなくっちゃ。
とても落ち着いた和室です。
別の角度から。
「鯉の滝登り」のガラス細工がとても豪華。
しかし、夜は廊下の明かりを拾ってしまい暗くならないデメリットが(笑)
布団の柄もいい味出してます。
この柄がここまで似合う部屋があるでしょうか。
そしてこのズシっと来る布団の重み。
嫌いじゃない。
部屋からは、温泉街と本館の外観が見えます。
静かでいいところだなっと。
お着き菓子はでん六豆。
お昼抜きに染みます。
名入りの湯呑と「せみ」と書いてある小皿がかわいい。
アメニティはこちら
- フェイスタオル
- 浴衣
- バスタタオル
- 歯ブラシ
フルセットです。
館内(共用部分)
共用のトイレこちら。
タイル張りの共用洗面台がとても素敵です。
ドライヤーはわりと新しめ(これは新しい方がいい)
お風呂の概要
お風呂は以下の5種類があります。
- ローマ千人風呂(混浴)
- あたたまり湯(男女)
- オランダ風呂(男女)
- 貸切風呂
- ふかし湯
この日は宿泊客が少なく、貸切風呂はお湯を張っていないとのこと。
まぁガチな宿泊客は私だけでしたので。
他は自動車免許の合宿で泊まっている若い子たちでした。
それがみんな礼儀正しくていい子たち。
しかも、平日に一人で泊まりに来てるおじさんも仲間に入れてくれて、、、
一緒に炊事場でお酒を飲みました。
こんないい宿で合宿とかいい思い出になるね。
楽しそうな賑やかな雰囲気もこの宿には似合うね。
おっと、話がそれた。
お風呂の利用時間は24時間利用可能とのこと。
従業員さんが清掃している時間だけ利用不可のようです。
温泉の成分表はこちら
- 源泉名:町営5号源泉
- 泉質:ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉(低張性・中性・高温泉)
- 温度:66.1℃
- PH :7.4
加温、加水、循環、消毒の表記はありませんでしたが、
この心強いコメント。
加水だけということでしょう。
しかも加水も自然水だったら、実質なにもしていないようなものです。
自然だけで完成されている温泉。
ありがたいです。
まずはメインのローマ風呂から
千人風呂の利用時間は男女で分かれています。
本来だったら女性の時間ですが、この日は誰もいないので利用していいとのこと。
ラッキーすぎるぜ。
脱衣所を抜けると、
おぉ、これが千人風呂か。
湯気がもっくもくで写真がうまく撮れないな~。
窓開けると道だから諦めよっと。
ピリっとした熱さがいいね~。
冷えきった身体に血液が回りだします。
ほんのり硫黄の香りがするのもまたたまらん。
よく温まる温泉です。
壁には立派なモザイク画がありますねー。
そこにはしっかりとしたストーリー。
贅を尽くした細工ですね。
新しくピカピカな最先端なホテルより、
細部までこだわった、職人魂を感じる宿が好みだとしみじみ思いました。
剥がれ落ちてしまってるタイルがまた粋だね。
狙ってできるものじゃなく、時間を積み重ねないとできないアートです。
沢の水をホースで投入しています。
加水方法も最上級。
きれいな水だからできること。
自然に感謝です。
あたたまり湯
続いてあたたまり湯です。
私はここが一番居心地よくて好きだったな~。
大きいお風呂もいいけど、小さい浴槽はお湯の鮮度がいいと感じます。
湯口がとても美しい。
温泉と沢の水のコラボレーション。
そして、飲泉可能な源泉と同じ源泉を使用しているとのお話を小耳に挟みました。
(宿のとなりに飲泉可能な飲泉所があります)
源泉が熱く飲みにくいけど、やっぱり翌日に最高の結果が待っています。(大の方)
(飲泉可能の表記はありません)
体調もすこぶる良いし、やっぱり温泉ってすごいよなーっと。
オランダ風呂
こちらはオランダ風呂。
ここも湯気がすごい笑
ここは沢の水での加水ではないみたいです。
とても適温で入りやすいお風呂。
別館にあるので別館に宿泊した人は利用しやすいですね。
ふかし湯
これまた珍しいふかし湯。
利用方法はこちら↑
なるほど、ここから蒸気が出る仕組みね。
ってここで悲報。
今日は外気が冷たすぎて、ここまで蒸気が上がってこないとのこと。
ここで昼寝したかったなー。
しょうがないおとなしく部屋で寝てるか。
ってことでウトウトしていると内線がかかってきました。
「お昼抜きって聞いていたので、よかったら早めにお食事用意しますよ」
めちゃめちゃありがたい提案。
チェックインしかり食事の時間しかり、考えてくれて嬉しくなるね!!
ってことで早めの夕食です。
会場は別館1階のフロント横でした。
自動車学校の子たちと同じ会場です。
ご飯とお味噌汁はよそい放題ってやつです。
学生の食べっぷりは見ていて気持ちよかったなー。
みんな漫画盛なんだもん。
さてそれでは始めて行きましょう!
やっぱり温泉宿には瓶ビールが良く似合う。(770円)
今回の初手は、、、
冷めないうちにいくしかないだろ!
一口食べると今まで食べた鮎の中で間違いなく一番の味。
鮎の旨味と苦みと塩の塩味を一気にビールで流し込む。
ってかこれヤッバ。
いやー、ビールにも合うけど、
絶対日本酒に合うやつやん。
一口食べてフロントにお酒を注文しに走りました。
お酒を待っている間も豚肉で攻撃を緩めません。
こちらの豚は米粉を食べさせて飼育した豚だそう。
肉厚なのに柔らかく、臭みは一切ありません。
あ、これは極上の豚しゃぶサラダや。
豚肉の旨味がダイレクトに伝わってくるぜ。
これはビールにあうので切り替えて大正解!
いいタイミングでお酒が運ばれてきました。
お酒は3種類から選べましたが、今回は最上町限定のお酒をいただきます。
せっかくなら地元のお酒をいただかないとね!
山と水と(1650円)
これが美味しくて大正解!
鮎との相性も抜群で、鮎の肝の旨味の爆弾を、キリっとした癖のない日本酒で流し込む瞬間たら。
1か月以上経った今でも思い出せる。
完璧な組み合わせでした。
でもこの鮎、シーズンじゃないから四万十川の鮎なんだって。
シーズンだと地元の鮎がいただけるみたい。
次回への楽しみできた。次は地元の鮎とこの日本酒だね!
でもでも四万十川の鮎も本当に美味しい!
鮎のお皿に添えらている「しそ巻」もすごく美味しい。
山形の郷土料理です。
香ばしい青じそに甘めの味噌がお酒に合うんです。
米よし、お酒によしとまさにどストライクな一品です。
お酒には珍味もかかせないよね~。
チビチビやりますか!
いや、本当にいい日本酒。
通販でも買えないのが残念すぎる。
ふるさと納税するか。
いや、マジでそのレベルです!!
さて楽しい時間もいつか終わるもの、、、
お鍋の主役は「最上川のモズクガニ」
こんなん美味しいに決まっていますよね!
もちろんお酒との相性も◎
はぁ。蟹の旨味が行き渡ってる野菜たち最高。
モズクガニって濃厚なんだな。
そして〆にはもちろん。
蟹の出汁が出すぎて頭がおかしくなっちゃうよ雑炊。
モズクガニの濃厚な出汁と野菜の旨味が溶けだした汁に、山形県産の「はえぬき」
一心不乱に食べてしまいました。
ふう、
本来はフィニッシュ予定でしたが、あまりにもお米が美味しすぎまして。
みそ汁もキノコたっぷりでいいね。
てかてか、お米が美味しいってそれだけで幸せだよね。
おかずがないから蟹の甲羅吸ってみたけど美味かった(笑)
何食べても美味しかった!
さすが美食大国山形県!!
ってことでこれは朝にも期待。
朝はお米をいっぱい食べていいルールです(笑)
おひたし、角煮、玉子、魚卵、佃煮、しらす、しそ巻。
どいつもこいつも米泥棒じゃねーか!(歓喜)
お米も夜と同様美味しすぎてとまらないぜ。
はぁお米がうまいって正義だわ。
しかもね、
このコーナーは食べ放題なの。
こんなんどうしろと。
とくに右がわのニラのやつ。
これが特にヤバくて冗談抜きでお米が止まらないのよ。
思わずレシピ調べたほど。
「壺ニラ」って言うらしいね。
まじでこのピリ辛は癖になる。
今じゃ自宅に常備するほどです。
ふぅ、お腹はち切れそう。
学生は8時のバスで教習所に行ったみたいなので、また貸切だ。
帰りは送ってくれるみたいだし、存分にお風呂堪能して帰ろっと。
まとめ:歴史を感じ風呂に入る。いつまでも変わらぬ自然に感謝
最後にこんな人におすすめな宿ってことで締めます。
- 源泉かけ流しにこだわります
- 古い建物が好き
- 色んなお風呂って楽しいよね
- 文化財に興味あるな
- 限定のお酒が飲んでみたい
- 白米を愛しています
- ここまで読んでくれた人(笑)
1つでも当てはまったら行ってみて!
本当におすすめの宿です。
ずーっと変わらない風景があるって素敵だね。
たまには昔に思いを馳せてゆっくりするのもいいもんだ。
それではおしまい!